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2024-11-15
建築条件付き土地とは、文字どおり「条件」のある土地のことを指します。その条件とは、簡単にいうと「ここに家を建てる場合、決められた施工会社に依頼して家を建てる契約を結ぶこと」。これが土地の購入条件になります。
注意したいのは、「条件」には「決められた施工会社に依頼すること」と「その会社と一定期間内に請負契約を結ぶこと」の2つあることです。決められた施工会社とは、土地の売主か、売主が指定した施工会社です。また一定期間内とは、たいてい3カ月ですが、その建築条件付き土地ごとに異なります。
このように土地の売買契約をしてから3カ月という期間内に、家の間取りや仕様をほぼ決めて、指定された施工会社と請負契約を結ぶ必要がある土地を、建築条件付き土地と呼び、「売建住宅」とも言われています。
(画像提供/PIXTA)
建売住宅や分譲一戸建ても、土地と建物がセットで販売されます。施工会社を選べないという点では建築条件付き土地と同じですが、大きく異なる点があります。それは建売住宅や分譲一戸建てがある程度間取りや仕様が決まっていて、あとは細かい部分だけ詰めていくのに対し、たいていの建築条件付き土地の場合、建てる家は注文住宅と同じく、敷地条件に合わせて自由に間取りや仕様を決められるということです。ただし、ある程度間取りや仕様の限度がある場合もあるので、購入時にはどこまで自由に設計できるのか、確認するようにしましょう。
また、建物が自由な分、建売住宅や分譲一戸建てと違い、土地の価格は決まっていても建築費用(ひいては土地+建物の総額)は注文次第で上下します。そのため、予算を組む際に注意が必要です。
建築条件付き土地を購入するメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
建築条件付き土地では、建売住宅と比較して高い自由度で家を建てることができます。決められた施工会社の範囲内ではあるものの、間取りや外観、内装などを自分の好みや家族のニーズに合わせてカスタマイズすることが可能です。そのため、既製品の住宅よりも自分らしい住まいを実現することができるでしょう。また、建築会社のノウハウを活用しながら、土地の特性を最大限に生かした設計ができるという利点もあります。
通常の不動産取引では仲介手数料が発生しますが、建築条件付き土地の場合、建物部分の仲介手数料が不要となります。これは、土地と建物をセットで購入するため、建物部分に関しては直接建築会社と契約を結ぶからです。この点は、特に予算に制約のある購入者にとって大きなメリットとなり、その分を住宅の品質向上や設備の充実に充てることができます。
(画像提供/PIXTA)
一方で、建築条件付き土地を購入するデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。下記にまとめてみます。
建築条件付き土地の最大のデメリットは、建築会社が指定されていることです。これにより、他の建築会社や工務店と比較検討する機会が失われ、より良い条件や価格で建築できる可能性を逃す恐れがあります。また、指定された建築会社の施工品質や対応に不安がある場合であっても、選択の余地がないという点は大きな制約となります。さらに、建築会社の得意とする工法や設計スタイルに制限されるケースもあり、完全な自由設計とは言えない場合があるでしょう。
建築条件付き土地では、通常3カ月程度の期間内に建築請負契約を結ぶことが求められます。この短い期間内に、家族全員の意見をまとめ、予算と照らし合わせながら間取りや仕様を決定しなければならないため、十分な検討時間が取れないことも少なくありません。また、この期間内に契約が結べない場合には、土地の売買契約自体が白紙になってしまうリスクもあります。じっくりと時間をかけて理想の家づくりをしたいと考えている人にとっては大きなプレッシャーとなる恐れがあるため、注意が必要です。
(画像提供/PIXTA)