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2024-10-18

住宅価格の高騰はいつまで続く?平均額の推移や今後の予測

【2024最新版】住宅価格の高騰はいつまで続く?平均額の推移や今後の予測をSUUMO副編集長・編集長に聞く

最終更新日 2024年10月15日

【2024最新版】住宅価格の高騰はいつまで続く?平均額の推移や今後の予測をSUUMO副編集長・編集長に聞く

 

戸建て住宅の価格は2020年以降上がり続けている

新築戸建の購入価格は過去最高額に

最近、住宅価格が高騰しているというニュースをよく見聞きします。実際に住宅価格はどの程度上昇しているのでしょうか。

「2020年、新型コロナウイルス感染によるステイホームやリモートワークの普及で戸建ての需要が拡大、価格も急上昇しました。しかし、あくまで一過性で、同年後半には一旦落ち着きを見せました。ところがそれ以降、海外の木材が手に入りにくい『ウッドショック』や資材の高騰などさまざまな要因が重なり、2024年の現在に至るまでじわじわと住宅価格は上がり続けています」(SUUMO副編集長 笠松美佳さん。以下同じ)

実際の住宅購入価格の動きはどうでしょう。SUUMOリサーチセンター「2023年首都圏新築分譲一戸建て契約者動向調査」によると、2023年の平均購入価格は2022年より109万円上昇し4515万円と、2014年の調査開始以降、最高額となっています。

平均購入価格の推移
平均購入価格の推移
※調査数には、購入価格が無回答のサンプルを含む
出典/SUUMOリサーチセンター「2023年首都圏新築分譲一戸建て契約者動向調査」

 

価格上昇の要因は「資材・住宅設備の価格」「人件費」「地価」の高騰

では、高騰するさまざまな要因とは具体的に何なのでしょうか。

「ひとつは建築資材や住宅設備の値上がりです。資材高騰の原因は、『ウッドショック』やロシアのウクライナ侵攻による建築資材不足、運搬にかかるエネルギー価格の高騰などです。住宅設備高騰も、原油価格などの値上がりが背景にあります。日本建設業連合会の調べによると、建築資材は2021年から2024年現在までの3年間で約30%上昇しています」

建築資材高騰の現状(2024年8月版)
建築資材高騰の現状
出典/日本建設業連合会

また、人件費や地価の高騰も大きな要因だと言います。

「働き方改革を背景にした職人の人手不足や人件費の高騰も大きいですね。さらに地価上昇も戸建価格を引き上げており、いろいろな要素がかみあって、住宅価格上昇に繋がっているのです。この傾向は2020年後半から顕著になり、現在も続いています」

 

 

住宅価格の今後の見通しは?

上昇を続けている戸建住宅の価格は、今後どのように変動するのでしょうか。

「住宅価格が下がる要素は何も見当たりません。原油高の先は見通せない状況で、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限される『2024年問題』もあり、運搬費の高騰は免れないでしょう。
さらに、脱炭素の取り組みが世界的に加速しており、日本も2050年までに脱炭素を実現させる宣言をしています。それに向け2025年4月以降は全ての建築物に『省エネ基準』への適合が義務付けられ、断熱等級4、一次エネルギー消費量4以上を満たすことが必要になります」

平屋にしたり敷地面積を少なくしたりするなど、住宅価格の高騰に対応する動きもあります。それでも大きな流れで見れば、今後も住宅価格は上がらざるを得ないようです。

「ただ、断熱などの省エネ基準が引き上げられ、品質が良くなる分、長く住むことも可能になるのです。築年数がたっても以前ほど価値が下がりにくく、何十年も住み継いでいける家づくりが進むでしょう。日本の住宅に対する意識の変革期となるかもしれません」

住宅価格の見通し
建築資材や労務費の高騰などの影響を受け、戸建住宅は今後も値上がりが続く見込み(画像/PIXTA)
 
 

限られた予算で家を建てる方法は

住宅価格は高まっているけれど予算内で家を建てたいとき、どのような方法が取れるのでしょうか。

方法1:エリアを変える

家づくりの費用は、大きく分けると「土地代」と「建物代」に分かれます。資材高騰などにより建物代が高い今、土地代を抑えれば予算内で家を建てやすくなります。駅や商業施設から離れている、特急や急行が停車しない駅にするなど、自分たちが許容できる範囲でエリアを変え、土地代を抑えることを検討しましょう。

方法2:床面積を小さくする

建物代を抑える方法として、床面積を小さくするのはとても効果的です。床面積を小さくすれば、建築工事費の中でも比較的コストが高い基礎工事や屋根工事の費用が抑えられますし、内装材や外装材の総量を減らすコストダウンも可能です。

方法3:ローコスト住宅が得意な会社を選ぶ

住宅会社には、それぞれ得意分野があります。ホームページなどに「ローコスト住宅」と表記している会社は、コストを抑えるために間取りをパターン化したり、設備仕様を絞って共通化するなどで、高品質な住宅を安く建てることが得意な会社です。予算に限りがある場合、ローコスト住宅が得意な会社を家づくりのパートナーに選ぶのもよいでしょう。

住宅の営業担当者
ローコストを実現できる理由を聞き、納得できる会社を選びたい(画像/PIXTA)

 

建売住宅の購入を検討しても

何度も打ち合わせを重ねて一軒の家を建てる「注文住宅」は、打ち合わせをせずに同一の仕様・設備の家を数多く建てる「建売住宅」と比べると、どうしても価格は高くなります。

「家の仕様や設備にあまりこだわらないのであれば、予算内で販売されている建売住宅を購入する選択肢もあります。

 

家づくりを夫婦で相談

新居への希望の優先順位を考えながら、コストを抑える方法を選択しよう(画像/PIXTA)
 

マイホームを取得するべき?それとも待つべき?

ライフステージを考慮して決断しよう

ここまでご紹介したように、資材高騰や円安の影響などにより住宅価格が下がる見通しは立たないため、しばらく様子を見ようか…と迷う人もいるかもしれません。

「今後住宅価格が下がるのは、世の中が不景気になって売れ行きが悪くなり、建築会社が値引きをしてでも販売するケースかもしれません。しかし、不景気になると私たちの給与も伸び悩み、ボーナスがなくなる可能性もあるので、買おうというマインドにならないことも。また住宅ローン金利は、インフレ気味の情勢を受けて上昇する可能性も考えられます。

価格の様子を見ているうちに、家を建てるタイミングを逃してしまうのは避けたいものです。例えば、子ども部屋がある広いリビングの家を建てたのに、子どもはその部屋を数年しか使わずに家を出てしまい、広いリビングも夫婦2人きりで使うというのは、とても残念ですよね。

私は、住宅は利用価値を重視するべきで、資産価値は付随的でよいと考えています。ライフステージを考慮してマイホームを取得し、家族で楽しく快適な暮らしを送ってほしいと思います」

 
 

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